1989年 鈴鹿10月19日 木曜日

朝から会社で仕事、昨年の様な出張は無いが、やたら忙しい。
昼休みに同僚から、今年は鈴鹿に行かないのかと質問される。
『忙しいので無理、それにチケットも無いし・・・』と話すが、急に行きたくなる。
予選だけでも見ようと思い、鈴鹿サーキットに電話し、予選のみの当日券があるか確認する事に。
すると、『代理店から売り切れの連絡が無いのであると思うが、念のため前売り券の購入して下さい』と勧められる。
とりあえず仕事のスケジュールを確認、何とかなりそうなので上司に午後からの有給休暇を申請、チケットピアに急行する事に。

チケットピアに着き、F1の予選前売り券を申し込むが、すでに締め切りましたと言われる。
鈴鹿サーキットから買えると言われた事を説明すると、親切に本社まで確認の問い合わせをしてくれた。
するとマニュアル入力で購入出来る事が判明する。
通常、前売り券の取り扱いはメニューに登録されているが、開催の直前にはメニューから消えてしまうらしい。
しかし、コンピューターには残っているので、マニュアル操作で購入可能なのだ。
受け付けの方も、こんなのは初めてと言いながら、親切に面倒な作業をしてくれた。
・・・400km離れた場所のチケットを、前日には普通・・・・買わないね!。

無事に予選前売り券を購入し、会社に戻る。
途中までやり掛けの仕事を片付け、金曜日の有給休暇を申請、直ぐに退社する。
後ろから上司の『月曜日は出社しろよ!』の呼びかけに、『たぶん出社しま〜す♪』と、いいかげんに答える。

家に着くと、急いで出発の準備を開始。
昨年の経験から、今年はサーキット駐車場に泊まる事にし、食料の用意をする。
コンロを使えるか不明なので、パンや缶詰などを用意する事とし、スーパーマーケットに買出しに。
帰宅後すぐに、寝袋が必要な事に気が付き、又買いに出かける。
そんなこんなで、全ての用意を終えたのは日も暮れた頃、ようやく出発する。

400キロの道程を走り、深夜に鈴鹿サーキットに到着、しかしすでにサーキットの周辺は渋滞が始まっている。
やっとの思いで駐車場に入るが、すでに正面ゲート周辺は満車、誘導に従いどんどん奥の方へ進む。
かなり離れた所(今でもそこがどの辺か判らない)に場所を確保する。

一息入れた処でこれからの行動を考える、予選の券は確保したがやはり決勝も見たい。
そこで、非公認チケット仲介業(なんだそりゃ)を探して、決勝のチケットを購入する事にする。
 (良い子はマネしないでね!)
駐車場の入り口付近まで歩き、様子を窺うとそれらしき姿を発見、何気なく近づき話し掛ける。
当然チケットは有るだろうが値段が心配、『指定席も有るよ』と言われ恐る恐る値段を聞くと・・・
『観戦券+S1指定席で30,000円』と言われる、『う〜んと定価は・・・29,400円、買った!』と思わず答えてしまった。
 (・・・再び、良い子はまねしないでね・・・!)

無事?、決勝までのチケットを手に入れ、車に戻り寝る事にする。