1989年 鈴鹿10月20日 金曜日

いよいよグランプリの開幕、昨年とは異なり場所取りの心配が無く、ゆっくりと指定席へ向かう予定が・・・。
なんと、予備予選が朝の8時からスタート、朝早くから観戦に出かける。

 おまけの解説
当時は現在の様な12チーム24台までの規制は無く、何台でもエントリー出来た。
しかし30台以上が一度に走行するのは危険との事で、前年の上位26台以外は予備予選に出場しなければならなかった。
金曜日の早朝フリー走行形式で行われ、上位4台のみが本選に出場出来る。
この日は13台が参加、熾烈な争いが繰り広げられるのだ。


席に着き暫らくすると、隣の席に人が現れ声をかけてくる、どうやらこの席の元持ち主の様だ。
話を聞くと、奥様と二人で来る予定が、お子様が出来て来られなくなったらしい。
『残念でしたね、でもおかげ様でよい席で観戦出来ます。』と応える。
これから3日間仲良く観戦出来そうだ。

そうこうする内に予備予選の開始。
グランドスタンドから見るF1マシンの走行は、メイン・ストレートをあっと言う間に通り過ぎ、しかも見通しが悪いので良く見えない。
しかし、ピットの中が見えるので飽きる事は無い、同じF1観戦でも場所により愉しみ方が異なるのを知り、後はピット内の様子を観戦する事に。
隣人は双眼鏡で観戦、少し貸してもらったらよく見える事、今まで気が付かなかった細部まで良く判る。
いつも無計画な行動だが、準備が大切な事を痛感した。

1時間の予備予選もあっと言う間に終わり、残念ながら鈴木亜久里は8番手で本選出場ならず。
【尚、4番手で辛くも通過したのは、在りし日のミケーレ・アルボレートでした。ご冥福をお祈り致します。】

予備予選が終わるとピット全体が慌ただしくなる、いよいよ本番の始まりだ。
フリー走行に向け準備が進む中、トップ・ドライバーも姿を現す。
目の前にはTVでしか観た事の無いピットが、良く見れば小さくドライバーの姿も見える。
お〜〜おっ!、アイルトン・セナだ!!、あっちには中島悟さんが、こっちにはアラン・プロスト、その他・・・わ〜お!天国じゃ。

フリー走行も無事終了し午後は予選初日、緊迫の瞬間である。

おまけの解説2
当時は金曜日と土曜日の2回予選が在りました。
しかし金曜日が晴れで土曜日が雨だと、実質的にタイムも更新は無理な為、お客の多い土曜日の予選にマシンが走らない事もあり、現在の土曜日午後1回に変わりました。


予選初日の結果は、アイルトン・セナの気迫の走りでトップ、続いてナイジェル・マンセル、ポイント・リーダーのアラン・プロストは3番手。

夕方、隣人と別れ一旦車まで戻り、夕食を摂る。
しばしの休養の後、サーキット周辺を探索、時間をつぶす事にする。
結局面白い事は見つからず、10時過ぎ車に戻り就寝。